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Akito Sasakura

組織ってなんだ④~バーナードの組織3要素④~

2つ目の要素は「貢献意欲」

お世話になっております。AWA CONSULTINGの笹倉です。

今回はバーナードの組織要素の2つ目「貢献意欲」についてご紹介したいと思います。流れとしては、以前の「共通目的」の続きとなるイメージです。


基本的な内容

教科書通りの説明をするなら『共通目的を達成する為に、組織に貢献しようとする意欲を、組織構成員に持ってもらおう』という内容です。この説明で、うちの会社は自信がある、という経営者の方は、相当に少ないのではないでしょうか? それはきっと、以下のような問題意識があるのだと思います。


問題意識

①そもそも共通目的を社内の人間に伝えられていない(或いは共通目的が定まっていない)

②社内に自分の考えに共感してくれる人間が少ない(或いはいない)

③一方的に話しかけてはいるが、リアクションが少なくて、意欲が判断できない。


何故わかるか。これはどの会社にも当てはまる、あるある問題意識3選だからです。


3つ目の要素「コミュニケーション」

ここで、3つ目の組織要素もご紹介いたします。それはずばりコミュニケーション。めちゃくちゃ当たり前のことなんですが、是非一度、組織内に理想のコミュニケーションがあるかを考えてみてください。


実は先ほどの問題意識の全てが、コミュニケーション不全から発生するものです。

翻って考えて頂くとわかると思いますが、殆どの組織でコミュニケーションが不足しているということです。

中には、うるさいぐらいオフィスは賑わっていて、社員同士のおしゃべりが絶えない、という会社もあると思います。しかし、『その場面で一言も発さない従業員』はいませんか? そして『仕事と全く関係ない話題』で賑わっていませんか? この部分を指摘してくれる人は多くないと思いますが、自分のクライアントにははっきり伝えることにしています。

上っ面の世間話を、限定的な人員のみで話しているのは、組織としてのコミュニケーションとは呼べません。

何故か? そんなものを幾ら重ねても、組織の結束力や対応力を向上させることが出来ないからです。もちろん、全く会話のない組織に比べると、基礎力は高いと思いますが、成果には一切影響がないと考えます。また、特定の人間だけで結束を高めてしまうと、組織力は寧ろ低下するリスクもあります。


雇用は投資である

様々な経営者とお話をする仕事なので、雇用に関する意識も、様々聞いてまいりました。

色々な意見があることは重々承知ですが、良い組織を作る上で必ず必要な考え方をご紹介します。それは、『人件費』は固定費であり、雇用は本質的に投資である、という意識です。デリケートな話題なので、一般的な社労士は口にしたがらないと思います。雇用環境を改善することを使命とする人間としては、不穏な雰囲気を感じる言葉面だからでしょう。

しかし、言ってはいけないと思われていることが真実である場合は非常に多いのです。


以下が、雇用は投資であると述べる根拠です。

①採用して実際に働いてもらうまで実力はわからないのに、その時点で既に給料や社会保険料の支払いが決定しています=先行投資性。

②教育を施しても、成長可能性は個人の資質に依存します=将来への潜在的リスク。

③突如退職する可能性があります=回収不能リスク。


これらの性質は、そのまま株式等の金融商品への投資と同一の内容です。

400万円分の株式を購入したら、月に数回は利益確定のタイミングを検討するでしょう。同じように、年間400万円支給する従業員が、投資額以上の働きを行えているかの管理が必要です。その為の手法として、共通目的を軸に置いた評価制度の利用等が考えられます。

これは人をロボットのように考える無機質的な考えとは寧ろ逆です。人としての成長を支援し、会社に多くの利益を生んでもらい、その労働の対価(給与)を増やしていくプロセスを説明しています。

雇ったが最後、給与を増やさず、コミュニケーションもろくに取らず、フィードバックもまともに行わない。この日本でありふれた就労モデルこそ、無機質的であると考えます。


明日は具体的に、問題意識を解決する方法について書きます。

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